アパレルで働いていて、ふと思うこと。
「ハイブランドの販売員って、やっぱ給料いいのかな…?」
華やかな制服、落ち着いた接客、余裕のある顧客層。
シャネル、ヴィトン、エルメス…
そんな“高級ライン”で働く人たちは、
なんとなく“別世界の存在”に見える。
でも、実際どれだけ給料に差があるのか?
経験者としても気になるこのテーマを、
今回はリアルなデータとともに比較・解説していきます。

高級感出してるけど、給料まで高級とは限らんで?
一般アパレル販売員の給与事情

アパレル販売員というと、ファッションが好きで始めた人が多い職種。
でも、現実として「思ったより給料が低い…」と感じている人は多い。
実際、2023年にReady To Fashionが発表した調査では、
全国のアパレル販売員の平均年収は約343万円、
月給換算で約22.8万円にとどまる【参考:Ready To Fashion】。
店長クラスになっても、年収は約404万円が平均。
ボーナスや昇給は企業によって大きく差があり、
「働くブランドによって生活レベルが変わる」というのがリアルな声。
特に地方やファストファッション系では、
20万円を下回る月収も珍しくなく、
「服を買う余裕がないアパレル販売員」なんて状況も実際にある。

“好き”を仕事にした代償が、通帳に出とる。
ハイブランド販売員の給与事情

一方、シャネル・ルイヴィトン・フェンディなどのハイブランド販売員は、
同じ“アパレル”でも給与水準が一気に跳ね上がる。
たとえば、「a-prime」が公開した2024年時点のデータでは、
以下のような平均年収が明記されている【参考:a-prime.jp|スタッフの年収事情】:
- ルイ・ヴィトン:約520万円
- フェンディ:約515万円
- ブルガリ:約506万円
さらに、月給ベースでも
初任給が約29万円(ルイ・ヴィトン)
店長クラスで800万円以上に到達する例もあるという
【参考:アパレル求人カタログ(Yahoo!しごとカタログ)】
ここまで違う背景には、やはりブランド力だけでなく、
“求められるスキル”や“顧客層の違い”がある。

思ったより差があるな。
求められるスキルとキャリアパスの違い

給与の差があるのは当然として、
「じゃあ、何が違うのか?」というと──
やっぱり求められるスキルと仕事の難易度が段違い。
一般アパレル販売員に求められること
- 基本的な接客マナー
- 商品知識(素材・サイズ感・カラー)
- 在庫管理や店舗レイアウトの調整
- お客様との雑談・コーデ提案 など
“人当たりの良さ”や“明るさ”が重視される傾向が強く、
スピード感や対応力も大切。
ハイブランド販売員に求められること
- 富裕層へのラグジュアリー接客(沈黙もOK)
- 語学力(特に英語・中国語)
- ブランドの歴史や哲学の深い理解
- アフターサービスや外商対応の知識
- ノルマ達成・インセンティブ管理 など
売る商品が高額である分、「買わせる力」だけでなく、
“選ばせる技術”や“空気を支配する力”が必要。
さらにハイブランドでは、
販売員→副店長→店長→エリアマネージャーなど、
社内キャリアパスも明確に整備されていることが多い。
“ただの販売”にとどまらず、
ビジネスとしての成長機会が広がっている。

高みを目指す人はハイブラ一択やな。
ハイブランドで働くメリットとデメリット

ハイブランドの販売員は、給与面で恵まれているだけでなく、
ステータスとしての“職業価値”も高い。
でも、実際に働いてみると──
「良い面」だけじゃない。
◆メリット
- 基本給が高く、インセンティブ制度もあり安定収入が狙える
- 世界的に知られたブランドで働けるという職業的な誇り
- 富裕層や海外顧客との接客で経験値が一気に上がる
- キャリアアップの道が明確で、店長→本社職などのステップが踏める
- 制服支給・社員割引・語学手当など待遇面の優遇もあり
◆デメリット
- プレッシャーが強く、精神的にかなりハード
- 顧客対応のレベルが高く、“クレーム”も高圧的で複雑
- ブランドイメージを背負うため、プライベートも気が抜けない
- スタッフ同士の競争意識が強く、人間関係のストレスも大きめ
- 地方配属や異動が多いブランドもあり、ライフプランが立てにくい
「見た目の華やかさに憧れて入ったけど、3ヶ月で心折れた」
なんて人もいるのがリアルな世界。

“高級”なのは商品だけ。
中の人はいつもギリギリ。
どっちが正解?アパレル販売員の選び方

「ハイブランドの方が給料いいし、ステータスも高い」
そう思うのは当然。
実際、年収ベースで見ると
100〜200万円以上の差があるケースもある。
でもその一方で、
「今の自分には、そこまでのプレッシャーは無理かも」
「ファッションをもっと気軽に楽しみたい」
って人もいるはず。
大事なのは、“何を優先するか”
- 給料・キャリアアップ・ブランド力
→ ハイブランド向き - 好きな服・接客の楽しさ・生活とのバランス
→ 一般アパレル向き
どちらが正解というよりも、
自分がどんな働き方をしたいか、どんな未来を描くかで選ぶのがベスト。
そして、もし今働いてる環境が
「頑張っても報われない」
「この先に未来が見えない」
と感じるなら──
一度、違う世界を覗いてみるのもアリ。
同じ“アパレル販売”でも、
見える景色はまったく違うから。

“服が好き”だけじゃ、生き残れへん。
でも“服が好き”を捨てる必要もない。
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